特殊な薄畳『張替え・交換できない薄いやつ』を当店の畳で新調

畳のあれこれ

先日、畳の張替えをご検討中のさいたま市のお客様から、お電話でご相談をいただきました。
お話を伺うと、お部屋には一般的な畳とは異なる「特殊な薄い畳」が敷かれているとのことでした。

これまでに数軒の畳店へご相談されたそうですが、お電話の段階で「対応が難しい」と言われてしまい、なかなか引き受けてもらえなかったそうです。

長年畳の傷みにお悩みでしたが、このたび当店のブログ記事をご覧になり、薄い畳の施工に対応していると知ってご連絡いただきました。

張替え・交換できない畳 「きたろう畳」類似品

お客様のお部屋に使われていた畳は、12mmの薄い畳(一般的な畳の厚さは6cm)。

しかも一般的なものとは構造が大きく異なるものでした。

断熱材とゴムマットの芯材に畳表を貼り付けています

畳表(たたみおもて)が、通常のように畳床(たたみどこ)に縫い付けるのではなく、薄い芯材に直接貼り付けられています。

このため、表替えや裏返しといった通常の張替え作業はできません。

また、畳縁(たたみべり)は布ではなく、プラスチック製のはめ込み式パーツが使用されていました。

特殊な畳の専用固定パーツ 

四隅(壁側)には専用の固定パーツが取り付けられ、上からプラスチック製のパーツで押さえる構造になっています。

こうした畳は、かつて住宅のバリアフリー化の法律が施行される前後の時期に作られたものです。段差をなくすために畳をフローリング材と同じ厚さにしています。

※参考画像 防水畳用部材(畳表) 出典:KLASS
※参考画像 防水畳用ジョイント押さえ部材 出典:KLASS

施工を簡略化するため、畳店に依頼せず大工さんが現場でパーツを組み立てるもので、当時はいくつかの住宅メーカー、工務店が採用していました。

今回使われていた畳については、正確な商品名やメーカーの特定ができず、すでに製造が終了しているものと思われます。

しぶや
しぶや

このような畳は、基本的に新しい畳への交換をご提案することになります。

畳替え工事のご対応

藤野真一郎
藤野真一郎

お電話でのご相談内容、メールで送って頂いた写真等を拝見し、
当店で対応可能と判断してお引き受けいたしました。

はめ込み式パーツの切り落とし

四隅(壁側)のプラスチック製の畳縁(たたみべり)をはめ込むパーツ、これが新しい畳への交換の妨げとなっていました。

本来であれば、このパーツを取り外すには壁や床、物入れの枠なども関わる大掛かりな工事が必要になります。
しかし、ご相談の上でパーツの一部分のみを切り落とすことになり、お客様から「自分で採寸の日までに切っておきますよ」とご提案をいただきました。

お客様はDIYがお好きな方で作業に慣れていらっしゃるそうでしたので、おまかせすることに致しました。

部屋を採寸してオーダーサイズで当店の薄畳に交換

後日、お見積り、採寸のためにお伺いすると、不要な部材はすでにきれいに切り落としてありました。切り落とした部分に合わせ正確に部屋を採寸し、オーダーサイズで新しい薄畳を製作いたしました。

畳の厚さの対応

一般的な畳で一番薄い畳は15mmです。当店ではクッション性や耐久性を考え、この15mmを推奨しています。

でも、既存の畳の厚さは、12mmのとても薄いものでした。

そこでダイケンという建材メーカーが販売している床暖房用畳床の「座スリムZ」という芯材を使用しました。

床暖房対応畳床 座スリムZ 出典:DAIKEN
座スリムZの構造 出典:DAIKEN

こちらでしたら13mm〜13.5mmで仕上がります。
1mmの差なら問題ないと判断し施工。敷き込んだ状態も違和感なく使用できます。

お客様の長年の和室のお悩みが解決

畳表はダイケンの「灰桜色」です。ほんのり桜色を帯びた上品な色合いで、部屋全体が明るく落ち着いた印象となりました。

新しい畳に入れ替えたことで、お客様の長年のお悩みが解消しました。
以前の畳はキズが目立ちカスが出やすくストレスを感じていたそうです。
一時は「いっそフローリングを張ってしまおうか」とも考えられていたとのことですが、
やはり畳の落ち着いた雰囲気を残したいという思いから、今回の施工に至りました。

仕上がりをご覧になり、「やっぱり畳の部屋で良かった」とお喜びいただけたことをうれしく思います。

張替え交換できない薄い畳の見分け方と対応

和室のバリアフリー化については、住宅メーカー各社が様々な試作、改良を重ねてきました。

その結果、現在では一般的な畳とは構造が異なる「張替えや交換ができない畳」が使われているお部屋も少なくありません。

この度のお客様と同様の事例で、お困りの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

以下のような特徴・事例の場合は、特殊な薄い畳の可能性があります。

  • 畳縁がプラスチック製
  • 畳縁が1本べりで施工(畳縁が平行に2枚並んでいる部分がない)
  • 住宅メーカーがバリアフリー住宅を始めた2000年以降の住宅
  • 軽量鉄骨住宅の2階の和室
  • 新築の際、フローリングの予定だった部屋を畳敷きに変更した

など。

このような場合は、大手住宅メーカーの畳を長年施工している畳店に相談するのがおすすめです。
特殊な構造の畳にも対応できる経験があり、現状に合った最適な提案をしてもらえるかとお思います。

埼玉県エリアでしたら当店でご対応可能です。

遠方の方は、この記事の内容をご参考いただき、
近隣の畳屋さんにご相談ください。

他店で断られた方、『たたみの河田』にご相談ください

特殊な薄い畳や、どの畳店に相談しても断られてしまった畳でも、現場の状況に合わせて対応できる方法が見つかる場合があります。

当店は、長年にわたり大手住宅メーカーのバリアフリー用の薄畳を施工しております。

和室でお悩みの方は、
どうぞ一度、当店までご相談ください。

かわた
かわた

聞くだけでも構いません!
遠慮なくご相談ください


大手住宅メーカーの畳施工を長年手がけてきた経験を活かし、
お部屋の構造や使い方に合わせた最適なご提案をいたします。

📞お電話でのお問い合わせ:048-582-0242(フリーダイヤル 0120-299-880)
🌐ホームページ:https://www.kawataseijou.com/
📩お問い合わせフォームはこちら

いのうえ
いのうえ

以下の記事も、特殊な薄い畳についてです。
ご参考ください。

以下の記事は、今回ご紹介しました
*** 特殊な薄畳『張替え・交換できない薄いやつ』を当店の畳で新調 ***
のお客様の使用した畳表や詳細についての施工例です。

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