建設会社様から、新築住宅の2間の畳と床の間の畳のご依頼をいただきました。

8畳の和室です。こちらの和室には標準タイプの畳で、糸引き表に無地の紺色の畳縁を付けています。
紺色の畳縁は、空間全体を引き締めてくれる効果があり、い草の色合いとのコントラストによって、その畳表を一層引き立ててくれます。

床の間の畳も同じ畳表を使いました。
以前は、床の間専用に「龍鬢表(りゅうびんおもて)」という特別な畳表が用いられていました。
龍鬢表は、い草の天日干しから、選別、織りの工程まで一つ一つ手間をかけて製作される高級畳表です。
しかし、現代ではご予算とのバランスを考慮し、部屋と同じ畳表で揃えるケースが多くなっております。

和室の中でも格式を重んじる床の間には、部屋と同じ畳表を使用し、「伝統的な紋縁(もんべり)小紋(こもん)」を付けて仕上げております。
紋縁が加わることで、空間に凛とした雰囲気と品格を与えてくれます。

もう一部屋、4畳半の和室は「縁無し畳(へりなし畳)」半畳9枚を施工しました。
最近の新築住宅では縁なし畳を選ばれるお客様も増えてまいりました。
すっきりとしたデザインと、現代的な空間にも自然に溶け込む柔軟さがその魅力です。
今回ご紹介する和室には、国産い草の名産地・熊本県産の目積(めせき)表を使用しております。自然な色合いと、い草ならではの香りが落ち着きをもたらします。

この目積表は、通常の畳表(引目表)よりも織り目が細かく、畳の表面がより滑らかで繊細な印象に仕上がります。
モダンで洗練された見た目は、和の趣を残しつつ、スタイリッシュな現代和室にもよく合います。
こちらの部屋も、木のぬくもりと調和し、心地よい和空間になっています。
また、縁無し畳はその名の通り畳縁がなく、すっきりとしたフラットな仕上がりが特徴です。
和室だけでなく、洋風のお部屋にもなじみやすく、自由なコーディネートが可能です。

和室が減少する中で、伝統的な在来工法の作られた家屋の和室でした。
日本家屋の良さがいたるところで感じられました。
この度は誠にありがとうございました (^^)