
ふすまの紙が浮いてきてシワになってしまいました。
紙が剥がれてきてしまったのでしょうか?

梅雨時・長雨などの湿度の高い環境で、紙が伸びている可能性があります。

湿気が原因の場合は元に戻ります。ご安心ください!
雨の日や梅雨時、ふすま紙が浮いたり、たるんでしまうことはありませんか?
「紙が剥がれてしまった!」と心配される方もいますが、実はこれは通常の現象です。
この記事では、その理由について詳しく説明します。
1. ふすま紙や障子紙は湿気で伸び縮みするもの


紙には湿気を吸収する性質があります。湿度が高くなると、紙は水分を吸収して伸び、逆に乾燥すると縮みます。
このため、雨の日が続くとふすま紙が一時的に浮いて見えることがありますが、これは異常ではありません。紙が乾燥すれば、再び元通りにピンと張るので、心配する必要はありません。
見た目が良く、空気調節機能を備えた張り方
プロのふすま施工では、紙を全面に糊付けせず、内部に空気の層をあえて作ります。
これは、湿気による紙の伸び縮みを考慮した工法で、ふすまが美しく仕上がるだけでなく、室内の湿度調整機能を高める役割も果たします。
紙を全面に貼り付けないことで、内部の格子や板の段差、劣化が表面に響きにくくなり、長く美観を保つことができるのです。
施工は紙の性質を考慮して行います。


ふすま張りのプロは、紙が湿気で伸び縮みすることを利用して施工を行います。
ホームセンターで売られている商品のような、全面糊付けの方法は行いません。
具体的には、以下のような方法を採用しています。
- ふすま紙の四辺に濃い糊を塗る
- 中央部分には水で薄めた糊または水のみを使用する
- じっくり時間をかけて乾燥させて、紙を縮ませて張りを出す
4辺の糊で接着して、中央部分は、徐々に乾かして縮ませる。完全に乾燥するとシワ・たるみがなくなるという方法で張ります。
この方法により、紙が湿気を吸って伸びても、乾燥すれば中央が縮んでシワやたるみがなくなります。紙の伸縮をコントロールすることで、美しい仕上がりを保つのです。
3. ふすまの構造。「茶チリ紙」で内部に隙間を作る

表面のふすま紙を張る前に、「茶チリ紙」と呼ばれる薄い紙を張ります。この茶チリ紙は四辺だけを接着しています。中央部分は貼り付いておらず袋状になっています。
中央部分はふすまに接着されていませんので、湿気を吸うと伸びる構造です。
この工法を行うことで、ふすまの骨組みや板に多少の劣化や段差があっても見た目をきれいに整えることができます。
日本家屋の湿度調整機能
ふすまの施工方法は、高温多湿な日本の家屋に合わせ、湿気を吸収・放出するための工夫が随所に取り入れられています。
ふすまに限らず、畳(い草)、京壁、珪藻土の壁材なども湿気をコントロールする役割を担っています。これらの素材が互いに連携して、快適な室内環境を作り出しているのです。
5. 湿気が気になる場合の対策
「ふすまが湿気で伸びるのは分かったけれど、やっぱり気になる」という場合は、以下のような除湿対策をおすすめします。
- 雨の日は窓を閉めて湿気を防ぐ
- エアコンや除湿機を使用する
これらの対策を実施することで、ふすまや障子の紙が過度に湿気を吸収するのを防ぐことができます。
まとめ
ふすまの紙が湿気で伸びるのは、紙の特性による通常の現象です。プロの施工では、紙を全面に糊付けせず、内部に空気の層を設けることで、湿気による伸縮をコントロールしています。
これにより、見た目を美しく保ち、ふすまの内部構造の段差や劣化が目立たなくなるだけでなく、室内の湿度調整機能も発揮されます。
ただし、天気が回復しても数日間ふすまのたるみやシワが改善しない場合は、他の原因が考えられます。その際は、張替えや新調を検討するのも一つの方法です。
ふすまを良い状態に保つことで、快適な住環境を維持しましょう。
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